兵庫県小野市の偏見と、差別する為の条例

2013年02月22日

生活保護費でパチンコだめ 兵庫・小野市が独自条例提案へ

 兵庫県小野市が、生活保護費や児童扶養手当を、パチンコなどで生活が維持できなくなるまで浪費することを禁止する条例案を27日から始まる市議会に提案する方針であることが22日、分かった。

 小野市によると、条例案は受給者の責務として「パチンコ、競輪、競馬などに費消し、生活が維持できなくなる事態を招いてはならない」と具体的に明記。市民が不正受給や浪費を見つけた場合、速やかな情報提供を求めている。不正は警察官OBが調査し、改善を目指すという。罰則はないが、改善されなければ最終的には支給を止める。

2013/02/22 【共同通信】

 驚くべき事態と云うべきではないでしょうか。
 まずその発想が、『パチンコなどで生活が維持できなくなるまで浪費することを禁止する条例案』です。
 大人の考える事でしょうか。条例で禁止する事だという発想が出来る事からが、私には信じられません。
 
 そして重大な問題点は、『市民が不正受給や浪費を見つけた場合、速やかな情報提供を求めている』点です。
 まず何よりも、この様に定める事で、福祉の扶助を受ける人たちに対する偏見を、他の住民に助長する事になる点です。そして、差別・偏見の目で近隣の住民を監視する事を奨励するなど、戦前の隣組制度の様な治安維持法下の人権無視の社会の招来があります。この様な発想が簡単に出てくるまでに、日本の地方自治行政には民主主義や人権意識が存在していなかったのかと、暗澹たる思いに悲しくなります。

 生活保護たたきが、人権を鑑みず、ここまで社会を硬直させてきてしまっていることは、憲法の多くの人権擁護の条項が空文化している事の証左ではないでしょうか。改憲すら「自然の流れ」と諦めるしか他無いのだと諦念します。ならば最後は、9条も。

 小野市に、「人」がいる事を願うばかりです。先例を作ってしまっては、取り返しがつきません。



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